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騒ぎは一向に収まらぬまま、時間は刻々と過ぎて行く。
漸く起き上がった煙華は、腕時計を見てさっと顔を青ざめた。
「やだ!! もうこんな時間!? 生キャラメル食べに行きたいのに!!!」
煙華はパンパンと勢い良く両手を打ち鳴らし、垂れてきた縄梯子に足を掛ける。
「撤収! ホレ早くしなさい!!」
「え、あ、は?」
ぐわしと腕を掴まれた愛季は引きずられるように縄梯子に押し付けられ、続いて藍梨が煙華の毒牙に。
「ちょ… 藍梨はまだ挨拶も、」
「良いって愛季! それより、せっかくだからオレが北海道の案内してやるよ!」
「まぁ頼もしいわ藍梨くん! ホレ早くっつってんでしょ副会長ズ!!」
煙華達は地上を離れているというのに、3人は呆気に取られたまま動けない。
漸く3人が地上を離れる頃には、高かった太陽は沈みかけてしまっていた。
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