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そして藍梨を加えた一行は存分に北海道の観光を楽しみ、集合時間をぶっちぎって旅館に戻った。
漸く起き出した八代と明は愛季の隣に立つ藍梨を見て現実逃避に陥り、布団にもう1度潜り込んでいき。
さらに愛季が「僕、生徒会長になっちゃいました」と言った事で、八代は本気で煙草の火を煙華に押し付けにかかった。
「おーほっほほほほほ!! 低血圧なアンタが悪いのよー!!」
まるでどこぞの女王のごとく笑い声を上げながら、煙華は1日で撮りまくった愛季コレクションを2人に見せびらかす。
歯軋りをひとつこぼした八代は、右手のみで煙華の携帯をへし折るという大人げなさを見せた。
「もー」
愛季は溜め息をこぼしながらも、口元に笑みを浮かべ。
まるで両親のような八代と煙華を、楽しげに見つめていた。
…怒涛の修学旅行、3日目。
明日もクラス行動の日だ。
ああ 楽しきかな 美少年
亡くした両親 戻らぬが
無くした愛を 取り戻す
無くした権力 見付からず
亡くした家族と 手を繋ぎ
美少年 美少年
幸せ続け、永遠に。
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