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ふふん、と小さく煙華が笑う。
そしてキセルを口に運び、白い息を吐き出し。
「踏み倒しましょう」
「待て待て待て待て待て!」
葵、決死のツッコミ。
直後にキセルが吹き飛んできて、葵は無惨にも北海道の雪原に沈んだ。
「待たないわよ!? アタシ待たないわよ!? だって怒られるもの!! この仕事辞めたくないもの!!」
錯乱状態の煙華はなおも葵をキセルで叩き続けるが、周りは我関せずと知らぬふり。
怖いでしょ? とばっちり。
後に都はそう語ったが、笑顔の後ろにざまあみろと浮かんでいたのは気付いてはいけない事実だ。
「って事で愛季くんと藍梨くん!!」
「はいっ!?」
「何だよ!?」
突然声を掛けられ、愛季達は肩をどきりと跳ねさせた。
「謝ってきて☆」
煙華は顔の横で掌を重ねておねだりポーズをするも…
「「却下」」
冷たく拒絶された。
「あう… 見事なシンメトリーよ… 萌えだわ萌え」
それでも煙華は満足だったらしい。
もう何なんだこのひとは。
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