宣戦布告

2/10

3008人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
「まだ何か目に入ってる気がする… 明さんのせいだ」 赤くなった頬を両手で押さえながら、廊下を1人歩く愛季。 因みにまだ制服も貰っていない為に、愛季は私服である。 さすがに喪服ではないにしろ、目立たぬ訳がなく… 「ねぇ、キミ転校生?」 「名前なんてーの?」 「なぁなぁ、俺なんか興味ない?」 …あっという間に囲まれてしまった。 「あの、僕は「部屋 何番館? 今晩 遊びに行っても良い?」 さぁ、困った。 そんな顔をして、愛季は首を傾げる。 仮にも今日から先輩(もしくは同級生)になる人達なのだから… 出来るだけ、穏便に事を済ませたい。 「すみません、僕は… そう、職員室に行かなくちゃいけないので」 先程遮られた言葉を続け、愛季は一礼して歩き出した。 無論、嘘っぱちなのだが。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3008人が本棚に入れています
本棚に追加