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「まだ何か目に入ってる気がする… 明さんのせいだ」
赤くなった頬を両手で押さえながら、廊下を1人歩く愛季。
因みにまだ制服も貰っていない為に、愛季は私服である。
さすがに喪服ではないにしろ、目立たぬ訳がなく…
「ねぇ、キミ転校生?」
「名前なんてーの?」
「なぁなぁ、俺なんか興味ない?」
…あっという間に囲まれてしまった。
「あの、僕は「部屋 何番館? 今晩 遊びに行っても良い?」
さぁ、困った。
そんな顔をして、愛季は首を傾げる。
仮にも今日から先輩(もしくは同級生)になる人達なのだから…
出来るだけ、穏便に事を済ませたい。
「すみません、僕は… そう、職員室に行かなくちゃいけないので」
先程遮られた言葉を続け、愛季は一礼して歩き出した。
無論、嘘っぱちなのだが。
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