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「ん…」
夕日が差し込む生徒会室。
学園に着いたのは昼過ぎ頃だったから、3時間程眠っていたのだろうか。
寝ぼけ眼を擦り、愛季はゆっくりと起き上がった。
ソファで寝ていたというのに、寧ろ下手なベッドで寝るより心地良かった気がする。
横たわるソファの値段を考えた愛季は、すぐにその思考を取り止めた。
キョロキョロと辺りを見渡し、首を傾げる愛季。
さて、ここは何処だろうか。
愛季は生徒会室など見たことが無いし、そもそもこの部屋には生徒会室らしさというものが欠片もない。
どう考えても分からず、愛季はふとテーブルの上の紙切れに目を止めた。
「手紙…?」
その紙を見て、愛季はまた首を傾げる。
『愛季へ☆
起きたかなっ?
今、ボクらは放送室に居るよ!
愛季は起きたら、
そのままそこで大人しくしててね☆
4兄弟ヨリ。
P.S
ケーキ、食べて良いよ。
パサパサかもだけど(笑』
「…?」
取り敢えず、手紙の通り部屋で大人しく待つ愛季。
今日会ったばかりの人を信用するのもどうかと思ったが、どうやらここが学園内のどこかであるというのは確からしい。
それならば、別に従っても何ら問題は無いだろうと愛季は判断したのだ。
…暫くして。
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