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ピンポンパンポーン。
放送を知らせるチャイムが響いた。
『ガタッ… ん、此処に喋れば良いの?
え~… ごほん!!
山茶花学園の皆さん、こんにちは!!
春日4兄弟の末、明でっす!!
今日、この山茶花学園に
編入生が来たことは…
知ってる人も多いのかなぁ?』
「め、明さん?」
『…編入生の名前は香尋 愛季。
13歳で… 世界的な天才児ですね。
今朝の新聞にも載っていました。
容姿は人並み以上、
性格は至って温厚… 順応性も
極めて高いと判断しました』
突然の放送に驚く愛季を余所に、今度は静の声が響く。
『だが…
香尋君は、俺達とは
違う性癖を持っているそうだ』
お次は冷。
名指しまでされ、これが自分の事だと気付かない程に馬鹿な愛季ではない。
これから一体何を言ってくれるのかと、愛季は心配そうに放送に聞き入った。
勿論、それは他の生徒も同じ。
何かと目立つ存在である4兄弟の突然の放送に、学園の全校生徒が静まり返って4兄弟の声を聞く。
『な・の・でェ!!』
そこに、一際大きい陽の声。
キィン… とスピーカーが音を立て、続いて頭を叩くような乾いた音が入った。
『…えー、失礼しました♪
でもでも、みんなは
愛季を襲っちゃいたいよね?
だから… 愛季はボクらと
常に一緒に居ることになりました☆』
「…は、い?」
愛季が小さく呟いた後。
「「「「「…はぁ?」」」」」
学園中に、間の抜けた声が木霊した。
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