宣戦布告

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「っと、そうだ! 聞いてたか、愛季!!」 「さっき流れた馬鹿げた放送なら、そりゃあばっちりと。一体 どういうつもりなんですか? 貴方達は、僕をどうしたいって言うんですか?」 強く抱き締められる痛みに耐えながら、愛季は答えた。 冷たい声色から、どうやら怒っているらしいことが窺える。 「大まかに言うなら、愛季に生徒会に入ってもらう!!」 けれどそんな愛季を気にせず、陽は堂々と叫んだ。 …は? そんな突拍子もない台詞に口をポカンと開け、愛季は陽を見上げる。 「広報委員なら開いてるし、愛季 声可愛いからぴったりだと…」 「ちょっと!! 何で僕が生徒会に…」 「護る為ですよ。香尋さんを」 冷たい声にも聞こえるが、どこか優しさが滲んだ音。 いつの間にか、他の3人も生徒会室に戻ってきていた。 「君を自重出来ないこの学園の生徒から護るのには、それが1番効率が良いと… 結論付けさせてもらった」 少し申し訳なさそうに言うのは冷。 「まっ、拒否権はないから諦めてね?」 (黒いオーラを纏い)にこやかな笑顔の明。 「そういう事だ!!」 相変わらず力を緩めない陽。 「…意味が、分からない…」 それだけを呟くと、とんでもない脱力感に襲われた愛季は… 静かに、陽に身を任せた。 あぁ 哀れかな 美少年 両親亡くしたその矢先 5匹の悪魔に魅入られる 美麗な悪魔を退けて 妖艶な魅力を退けて 美少年 生きて帰るを 望みけり…
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