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「あの… 幾つか、言っても良いですか?」
気疲れからの酷い頭痛を感じながら、愛季は言った。
額を押さえる手は青白く、今にも倒れてしまいそうだ。
「どうぞ。なぁに?」
答えたのは明。
隣の静からは、どんな言葉にも答えてしまえるのだろうオーラが滲み出ている。
実際どんな言葉が来ても、愛季を納得させる台詞を答える自信が、静にはあった。
「まず… 1つめ。僕があなた達に護られる必要性… 無いと思うんですが?」
「何を言ってるんです? あるに決まってるでしょう。この学園はどちらかといえば体育系の生徒が多いんですよ」
明らかに力が無さそうな細い腕。
華奢そのものな細い肩。
真っ白い肌に、白魚のような指。
少し力を入れれば、ぽっきりと折れてしまいそうな足…
ハッキリ言ってしまえば、そんじょそこらの少女よりよっぽど可愛らしい外見をしている愛季。
犯し目的で襲ってくる男は愚か、正直 女の子にすら適いそうにない。
そんな愛季を狼の群れに放り込むような真似、まさか出来る訳もない。
「見た目良し、頭良し、しかもノンケで天然だなんて… 欲求不満の奴らに襲われない訳が無いでしょう」
静はぴしりとそう言ってのける。
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