青春争奪

9/10

3008人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
「おーおー、青春だねぇ」 全く悪びれる様子もなく肩を竦め、八代は言った。 「愛され美少年~、ってか?」 「? 何を…「あー、いいのいいの」 ニヤリと教師らしからぬ笑みを浮かべ、八代はさも楽しそうに愛季を見やる。 「こっちのハナシ」 そして、敵意剥き出しの兄弟4人に視線を移し… 「頑張れよ青少年達。コイツは鈍いぞ」 「なっ」 「っ!」 「ちょっ」 「八代っち!?」 含まれた意味にすぐさま気付き、4人はそれぞれ反応を示す。 冷は無表情のまま固まり、 静は眼鏡を上げながらそっぽを向き、 陽はあたふたと慌てふためき、 明は「言っちゃったよ、このニコ中~…」と小さく呟く。 その中心。 愛季だけは、首を傾げていたが。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3008人が本棚に入れています
本棚に追加