青春争奪

10/10

3008人が本棚に入れています
本棚に追加
/272ページ
これでも気付かない愛季は、ある意味大物だろう。 「あァそうだ、因みに争奪戦には俺も参加するからな?」 そう言った八代は、煙草をポケットから出した携帯灰皿に押し当て。 うちゅっ 軽いリップ音を立てて、愛季の頬にキスをした。 「ッ!?」 顔を真っ赤にし、急いで近くに居た冷に抱き付く愛季。 「何でそこで僕にキスするんですか!?」 半ば泣きそうになりながら、愛季は細い腕をしっかりと冷の腰に巻き付ける。 そのため冷の顔も赤らみ、端から見れば異様な光景が出来上がった。 「くそっ! 愛季!! セクシャルハラスメント教師はほっといて、歓迎会始めっぞ!!」 陽が荒々しく叫んで部屋を出て、冷に抱きつく愛季を手招いた。 ぞろぞろと出て行く5人を2本目の煙草に火を点けながら、見つめる八代。         アソビ 「…さァ、楽しい娯楽の始まりだ…!」 呟きは、誰に聞かれるでもなく… ひんやり冷えた廊下に消えた。 ああ、数奇かな 美少年       ア 親を亡くすに厭きたらず 5匹の悪魔に魅入られる 5匹の悪魔に狙われる ああ、数奇かな 美少年 悪魔に染められた天使は      サダメ 地に堕ちる運命なり…
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3008人が本棚に入れています
本棚に追加