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その頃 愛季は玄関先の下駄箱から靴を取り出していた。
ぽとり、と靴の中から軽く音を立てて何かが落ち、それを拾い上げる愛季。
「…逃げ場なんか、ないってことかな」
靴の中には、1枚の紙。
『すぐにおいで。
事情が変わったんだ。
愛季君が来なければ、
学園を買い取って破壊する』
「嫌ーな奴っ」
愛季はその紙をポケットに突っ込み、靴を履いて走り出した。
あぁ 優しきかな美少年
自分は何も得をせぬ
自分が傷付く道を行く
自ら幸せを臨む事無く
闇に 堕ちることなかれ…
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