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恐怖に顔を歪め、腰を抜かす愛季。
人の焼ける匂い。
鉄のくすぶる音。
あの夜の事が、鮮明に思い浮かぶ。
涙が溢れ、呼吸もままならない。
「…ぁ…っ」
目を逸らす事も出来ず、愛季はただ捕らわれた様に閃光を見つめていた。
ドタドタと、品の無い足音が近付く。
このままでは、愛季は捕まるだろう。
「愛季!!」
…この声が、無ければの話だが。
雨の中を、こちらに向かって走ってくる5つの人影。
冷、静、陽、明、八代…
5人の姿は雨霞に薄れているが、確かに愛季に向かって走っていたのだ。
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