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「愛季、愛季!!」
陽に揺り動かされても、一向に反応する気配を見せない愛季。
ただ一点、辺りに騒音を撒き散らす閃光を見つめるのみだ。
「仕方ねぇ… 抱えるから、走れ!」
八代が素早く愛季を抱え、弾かれたように広い庭を走り抜ける。
「待てぇ!! その子は… 愛季くんは、私のものだぁ!!」
後ろからはまだ、男が追いかけてくる。
「…やむを得ないですね」
走りながら、静は懐から丸い何かを取り出した。
「陽! これを後ろに向かって蹴り飛ばして下さい!」
「お、おぉっ!?」
突然目の前に出された丸い何かを、反射的に蹴飛ばす陽。
丸い何かは真っ直ぐに男に向かい…
バァン!!!!!!!!
火花を散らし、破裂した。
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