日常告白

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「好かれるのは嫌じゃないけどなぁ…」 教科書を胸に抱えながら、愛季は溜め息混じりに呟く。 4兄弟と八代の護衛をすり抜けてまでの告白なのに、返事を聞く気が無いと言うのも不思議なものだ。 勿論、それはあまり時間をかけると折角かいくぐった護衛に見付かってしまうからなのだが。 「殴ったりしないのに。誰かなぁ、殴るなんて噂流したの」 愛季は知らない。 殴るのは愛季ではなく明だという事を。 「う~ん…」 「ま~なきっ! どしたの?」 と、突然、後ろから明の腕が伸びてきた。 先程の男子生徒が未だここに居たならば… …想像するのはやめておこう。 「はぁ… まぁ、色々とありまして。あ、用があるので失礼しますね」 浮かない顔で答え、愛季は教室に戻った。 当然と言えばそうだろう、今から告白を断りに行かなくてはならないのだから。 「…愛季ぃ?」 廊下に残された明は、不思議そうに首を傾げる。 「…まさか、愛季…!?」 そして、勘違いは始まっていく…
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