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てくてくてく。
人も疎らな廊下に、3人分の足音が響く。
「あの…」
「「何」」
両側から明と陽に挟まれた愛季は、同時に反応した2人につい竦んでしまう。
「さっきの人が可哀想じゃ…」
「こないだの放送聞いて、それでも愛季に話し掛けてくるのは相当本気の証拠だよ」
「いくら愛季が強くても、本気の奴らにゃ逆らわねぇ方が良い… 出来る限り、な」
増してや、4兄弟&保健医の監視をすり抜けた奴ら。
怒鳴れば散るような雑魚ではない筈。
どもったり焦ったりしているのも、恐らくは演技だろう。
まったく、何故 恋は人をこうも狡猾にさせるのか。
明はふ、と短く息を吐いた。
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