日常告白

9/10
前へ
/272ページ
次へ
てくてくてく。 人も疎らな廊下に、3人分の足音が響く。 「あの…」 「「何」」 両側から明と陽に挟まれた愛季は、同時に反応した2人につい竦んでしまう。 「さっきの人が可哀想じゃ…」 「こないだの放送聞いて、それでも愛季に話し掛けてくるのは相当本気の証拠だよ」 「いくら愛季が強くても、本気の奴らにゃ逆らわねぇ方が良い… 出来る限り、な」 増してや、4兄弟&保健医の監視をすり抜けた奴ら。 怒鳴れば散るような雑魚ではない筈。 どもったり焦ったりしているのも、恐らくは演技だろう。 まったく、何故 恋は人をこうも狡猾にさせるのか。 明はふ、と短く息を吐いた。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3008人が本棚に入れています
本棚に追加