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「…あの、痛いですから」
困った様な声が上から降ってきて、ようやく愛季は頭を上げた。
やんわりと解かれた腕は今度は静の胸倉を掴み上げ、
「この学園の人達は忍者なんですか!? …って、あれ」
「…まずは落ち着いて下さい」
伝えたい事がごちゃごちゃになっているらしい愛季をソファに座らせ、静は紅茶を差し出した。
どうやら、今日は明と陽が居ないらしい。
水を打ったように静かな生徒会室に、愛季が紅茶を啜る音が響く。
「今年は愛季君が「鬼」のようだな」
「あぁ、それで…」
冷のひとことに、納得したように静が言った。
「あの… 「鬼」って何なんですか?」
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