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「その年の下級生の中で、1番足が速い者のことだ」
「修学旅行に行けるチケットは、その「鬼」を捕まえた人に渡されるんですよ」
「はぁ… なるほど?」
分かったような分かってないような微妙な顔をし、愛季が答える。
「期限は日没まで。それまで「鬼」が逃げ切れば、チケットは鬼の物になる」
「て事は…」
「香尋さんが日没まで逃げ切れば、香尋さんが修学旅行に来る事になります」
事も無げに言い終わると、静はまた紅茶を啜った。
「まぁ、逃げた方が良いだろうな」
「此処も直に見つかりますよ」
「あ、はい! 紅茶、有難うございました!」
跳ねるように立ち上がり、愛季はまた走り出した。
血相を変えた下級生達が、生徒会室に駆け込んだのはその数秒後の事…
勘が鋭いですねこの2人。
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