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「なっ… 離せ、「っし~…!」
人差し指を口に当て、愛季の真上で笑っているのは…
「明さん…」
「あ、もしかして忘れてる? ボクだって下級生なんだから、参加してるんだよ~」
にへらっと笑い、明は愛季を元の体勢に戻した。
「まっ、旅行券は狙ってないけどね。勿論陽兄もそう、今頃はどっかで昼寝でもしてるんじゃないかなぁ」
「はぁ…」
安心したのか、ぐったりと明の肩に寄りかかる愛季。
「もう… また走らなきゃ駄目なのかと思いましたよ」
「あはは、ごめんごめん。でも、もう安心かもしれないよ~?」
そう言うと明は、愛季を抱き上げて窓の外を見せた。
「ちょっ… 自分で立てますよ!!」
「いいから。ほら、見てみなよ」
言われるまま、外を見る愛季。
街灯に照らされ、ぐったりする下級生達が見えた。
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