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「このまま此処に居れば、旅行券は間違いなく愛季の物だよ」
「…? 僕は明さんに捕まったんじゃないんですか?」
「ボク? あぁ、ボクはね…」
明が何かを言おうとした、その時。
イベント終了を告げるチャイムが、校内に響き渡った。
「おっ、イベント終了~。体育館行くよ」
言うが早いか、明は走り出した。
「ちょっ… 降ろして下さいってばー!!」
…愛季を抱えたまま。
「旅行券は~… 愛季君の物だー!!」
ぱちぱちと、気の無い拍手が起きる。
壇上で片手を上げられた愛季は、もう片手で耳を塞いでいる。
まだ若い学園長は、どうやらかなりパワフルな人種らしかった。
ともかく、これで愛季は修学旅行について行く事になった訳だが…
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