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粉塵の煙から表れたのは、
「ごほっ!げぇほっ!ぬぅ~~~」
ものすごくむせた女だった。
「あー!!!!熊次郎がー!!!!」
女は破壊された『熊次郎』らしき物体(狸の置物)を見て手をバタバタさせている。
「あの~……」
と、声をかけるなり俺の方を見て。
「そうだ!門下生!!」
「は?」
「おめでとう!君が一人目の門下生だよ!!」
女はそう言ってかなり至近距離で手を握ってきた。
「は!?!!」
「こんな時期ってことは一年生だよね?ん…?それにしては老けてるなぁ……?」
「あの……」
「まいっか!私は2年の山口 春(やまぐちしゅん)よ、よろしくね!」
彼女はニコリと笑って、ピースをした。
彼女の慎重は150cmぐらい、ショートヘアの活発そうな女だった。
「……門下生って?」
と、俺が訪ねると、
「……え?」と、不思議そうに首をかしげた。
「だから、門下生ってなんなんだよ?」
と、再び訪ねると、
「道場の門下生に決まってるじゃない?」
彼女は笑ってそう言った。
「じゃなくてだな……」
「まーまー、立ち話もなんだし中に入って!」
と背中を押されて無理やりプレハブに入れられた。
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