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診察室に入り
宜しくお願いしますといい席についた。
先生は
検査の写真をどんどんと並べていった。
『細胞を検査しました。これは癌細胞です。ともちゃんは大腸癌です。この若さでは非常に珍しいです。』
大腸癌。
その言葉を聞いた瞬間に
頭が真っ白になった。
後頭部を何かで思いっきり叩かれたような
今まで味わったことのない感覚だった。
『あたし死ぬんですか?』
考えるより先に口走ってた。
先生は死ぬとも死なないとも言ってはくれなかった。ただ
頑張るしかない
気力だと言った。
きっと他にも何か言ってくれたんだろうけど覚えてない。
自分の肩の上に乗った
お父さんとお母さんの手が重たくて暖かかった。
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