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彼の容姿が、そこらの女より美しい為ではないだろうか。
別に、彼が女顔という訳ではない。
性別を越え、神を思わせるほどの美を、彼は持っているのだ。
――否、彼を神と呼ばずして、何を神と呼ぼう?
何度汚れされようとも、その白い肌は全く色あせず、その魂もけして折れない。
逆に、美しさや輝きを増す。
彼は、最早人間の領域では収まりきれない。
神の領域だ――
「とりあえず、生徒会室に鞄を取ってくるから」
彼の声で現実に引き戻され、私は再び笑顔を浮かべる。
「じゃあ、私も」
「そこまでしてもらっちゃ悪いから、いいよ」
私の申し出をやんわりと断り、彼は立ち上がった。
そして、思ったよりもしっかりとした足取りで彼は生徒会室に向かう。
断られたなら無理について行けない。
なら、私がやるべきことは何か……
「罰を、与えないと」
神に対する罪は、私が必ず裁く。
胸にしまい込んでいた殺意が噴き出し、私の手を赤く染めた。
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