そしたら

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-side.K- ねえ…仁。 その瞳に、俺はどんな風に映っているの? 少し遅れて楽屋入りした仁に、心の中で問いかける。 「亀…おはよっ。」 俺の視線に気づいた仁が、スタスタとこちらに歩いてきて挨拶をする。 にっこり笑って俺を見ないで… 胸が張り裂けそうだ。 自分でもいけないことだって分かってる。 だけど俺は… 『赤西仁』に恋をしたんだ。 ―――― 毎日見ても飽きることのない、完璧に整った顔。ほのかに香る香水の匂い。風にふわふわと揺れる、少し明るめの髪の毛。 ――極めつけには、容姿とのギャップがある人懐っこい性格。 …あれはモテないわけがない。 女にも―…男にも。 …… ―――― 「あぁ、仁。……おはよ。」 上手く目を合わせられなくて、いかにも面倒くさそうな返事をかえす。 仁は一瞬、「?」って顔をしたけど、すぐにまた表情をもどして俺の前の椅子に向かい合う形で座った。 _
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