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―更衣室―
……
「…んっ!…じんっ!!!」
俺が仁の名を呼び続けると、ピタッといきなり仁の足が止まった。
まだ誰もいない更衣室の更に奥まで入っていったので、辺りはシーンとしている。
「………仁?」
こちらに背中を向けたまま動かない仁に、恐る恐る声をかける。
「…亀ね、気づいてないっしょ。」
「……は…?」
突然振り向いて口を開いたかと思えば…
俺が気づいてないって?
何にだよ。
「…仁、俺が……な!?…」
―ギュッ―
えーっと…
俺…なんで仁に抱きしめられてるの?
「かずや……」
「な、何…?//」
耳元で名前を呼ばれ、顔が熱くなるのがわかる。
「俺さ…
亀のこと、すっげー好きなの。
なのに…んな悲しい顔するし。目も合わせてくんないし。
俺さみしいんだけど…?」
好きって…
仁が?
俺を?
それって…
俺と同じ気持ちなんだって思ってもいいの?
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