そしたら

5/7
前へ
/14ページ
次へ
……… いまだに抱きつかれたままの俺は、フッと息をはいて気持ちを落ち着かせる。 でも俺、心臓バクバクいってる。 「……じん…?」 「…なに?」 俺のドキドキ、伝わるかな。 仁の言葉、信じてもいいかな? 「…れも……き…//」 消え入りそうな声で呟いた。 『おれも好き』 だけど仁には、ちゃんと聞こえたみたいで。 少し腕が揺るんだと思えば、また思いっきり抱きしめられる。 「仁っ//…痛いからっ…」 「…めに……」 「…ん?…なに、仁。」 「俺、亀に…嫌われてんのかと思った。」 ふと仁の顔を見れば、少し切なそうな顔してるから… 「…ど…して?…」 首を傾げて見つめれば 「だって和也、俺のこと避けてたっしょ。」 甘い吐息と共に囁かれる、意地悪そうな声。 「なっ!//それは仁のことが……んあっ!?」 「俺のことが、なに?」 俺の反論の声は、仁が耳を舐めあげることによって遮られた。 _
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加