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「な、何よ。離して!!」
「わ、悪ぃ」
そう言うと、城戸亮は手を離した。
去り際、顔を見れば顔が赤かったような気がした。
あたしは中庭に行き、ベンチのところに行きため息をついた。
「岩岡さんどうしたの?」
「城戸くん」
「雅人で良いよ」
「え?う、うん」
あたしは、初めて男子に下の名前で呼んで良いよって言われて、少しドキドキした。
「あたしの事は、紗毅で良いから」
「うん」
雅人君は、あたしに向かって微笑んだ。
「ところで紗毅ちゃん。大きなため息ついてどうしたの?」
「えっ?ため息なんて、ついてた?」
あたしは、ため息をついてた事に気づいていなかった。
「うん。結構大きかったよ」
「ホントに!?」
「うん」
気づかなかった。
多分、無意識についていたらしい。
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