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雅人は抱き寄せたまま
それが何だかいらだたしい。
「紗毅!!」
思わず俺は、紗毅のところまで歩いて行った。
「城戸、亮?」
こいつは、相変わらずフルネームで呼ぶし。
「その。悪かったな」
「え?」
紗毅は、キョトンとしてる。
その姿に、今度はドキドキと胸が高鳴った。
何だ?
こいつのキョトンとした姿を見たら、何か胸がドキドキしてきた。
「俺。お前に何かしたみてぇだから」
「…」
「何も覚えてなくて、悪かった」
俺は頭を下げた。
「城戸亮、顔上げて。」
紗毅に、フルネームで呼ばれた瞬間に胸が痛んだ。
これは、何なんだ?
「紗毅」
「…ん?」
俺は紗毅の手を掴んだ。
「話しがある。ちょっと来い」
「う、うん」
そのまま雅人の前から立ち去った。
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