第5章†悩み†

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雅人は抱き寄せたまま それが何だかいらだたしい。 「紗毅!!」 思わず俺は、紗毅のところまで歩いて行った。 「城戸、亮?」 こいつは、相変わらずフルネームで呼ぶし。 「その。悪かったな」 「え?」 紗毅は、キョトンとしてる。 その姿に、今度はドキドキと胸が高鳴った。 何だ? こいつのキョトンとした姿を見たら、何か胸がドキドキしてきた。 「俺。お前に何かしたみてぇだから」 「…」 「何も覚えてなくて、悪かった」 俺は頭を下げた。 「城戸亮、顔上げて。」 紗毅に、フルネームで呼ばれた瞬間に胸が痛んだ。 これは、何なんだ? 「紗毅」 「…ん?」 俺は紗毅の手を掴んだ。 「話しがある。ちょっと来い」 「う、うん」 そのまま雅人の前から立ち去った。
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