虎と龍

躑躅ヶ崎館

普段は家臣が行き交い賑やかな躑躅ヶ崎館は今や静まりかえっていた。

武田信玄の命令で以外全ての人間は館から出ており代わりに館内には十人の男達が集まっていた。

その者達も言葉を発する者はなく上座にいる二人に注目しているた。

信玄ともう一人が中心になっておりもう一人がかなりの重要人物である事が伺える。

重要であろう人物は顔を隠している。その人物の重臣であろう四人も顔を隠していた。

武田軍からは武田軍最強赤備えと讃えられ恐れられている、山県昌景、

不死身の鬼美濃と言われ武田信玄にも堂々と意見できる唯一の武将、馬場信春、

幼少の頃、信玄に才能を認められ用兵の才は武田軍一と言われた高坂昌信、

そして武田の雄牛と言われ攻めに於いて秋山の右に出る者無しとまで言われた秋山信友の四人が顔を隠した者達と対峙するような形で座っている。