【第一話━scene3】

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(しかし腑に落ちない) 帰り道を真っ直ぐ少し足早に帰って行く。 心の中には昼休み時の会話がまだ残っていた。 なぜだか、あのこと。 《黒い空》が引っかかる。なぜだろう……本当にただの伝説なのか? いや、そんなモノは存在しない。 だが、俺は確かに見た。漆黒のロボットを。しかし、その存在は確認されなかった……。やはり幻覚だったのかもしれない。 もう一つの意見が出れば、もう一つが反発する。かといって、後者をたてようとすると、前者がしっくりこない。 葛藤、葛藤、葛藤……。 そんな永遠に続くかと思われた議論は、俺の意志とは無関係に終わりを迎えた。 「相良高校二年二組、晴嵐耕助だな?」 声がしたさきには堂々と漆黒のスーツを纏った二人組の男がいた。 いや、現れた。 (どこにいやがったんだ?いつの間に……) 「なんか用か?」 「《用》はありますが……ここではなんですので、ご同行願いたい」 先ほど話しかけてきたスキンヘッドが表情を変えぬまま、口だけを動かして質問に答える。怪しすぎるのもあるが、何よりも嫌な予感がした。 「断る」 「何故?」 即座に言葉を返す。もう何も考えたくない。総てのモノが邪魔にみえる。 「俺にとってメリットが何一つ無いからだ」 それに対し、相手も表情一つ変えずに切り返す。 「何故そう思うのです?」 しつこい奴だ。 「……B型の勘だ」 「そうですか、非常に残念です……では」 そしてひと呼吸置いてから、《宣告》された。 「強行手段をとらせていただきます、かかれ」 「はっ!!」 そう言って手を挙げると、もう一人のスーツを着た男が俺めがけて真っ直ぐに走ってきた。あまりに咄嗟の出来事だったので、身構えることすらままならず、接近を許してしまう。 「しばらくの間眠っていただきます」 「なっ!?んぐっ!!?」 ハンカチを鼻に当てられた途端に意識が朦朧としていき、俺の世界が歪んでいく。何も理解できぬまま、深い眠りへと落ちていく。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 耕助が倒れたのを見て、スキンヘッドは連絡をするため連絡用の機械を口によせ、言葉を連ねた。 「任務成功。これより、本部に帰還する」
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