【第二話━scene1】

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「……い……オイ!!……オイ!!起きんかい!」 誰かが俺の事を呼ぶ、そこから一気に意識が覚醒した。 「……う……」 「大丈夫か?」 そこで始めて関西なまりが入った声だということに気づく。 (ちくしょう……。どこだよ……ここは?) 明かりはついてはいるものの若干薄暗く、衝撃はかなりないがガタガタとたまに揺れ、音が鳴る。周りが鉄かなにかで囲まれ、俺の部屋以上に殺風景に見えた。 コイツが声をかけてくれたのだろうか。 目の前には、やや茶髪の青年がいる。俺よりも歳は上だろう……。浅黒く日焼けした肌がよく似合う。ルックスはかなりかっこいい方。断言可能だ。 おそらく純日本人。瞳の色は黒っぽい茶色。 黒の上着の下に、ジーパンをはいているとこを見ると、コイツは恐らく日常を楽しんでいたのだろう。 「なんなんやろなぁ……ホンマ。勘弁してほしいわぁ」 重苦しい空気に耐えきれなかったのか、あちらから話しかけてきた。 「逆に聞きたいくらいだよ……」 「せやなぁ……ところで、名前は?」 普段ならば、そんな事を聞かれようが無視を決め込むのだがな。こんな意味不明の状況下だ。 「晴嵐耕助。高校二年だ」 「ワイは地紋哲也(じもんてつや)や。よろしゅう」 言いながら手を伸ばしてきた。ついつい状況も状況なのでこちらも握手するべく手を伸ばす。地紋の手は、生暖かかった。
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