【第二話━scene1】

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「なんっじゃこりゃ!?殺風景じゃのぉ!どこもかしこも金属だらけやないかい!」 「驚かれるのも無理はありません……普通ならここに来ることすらかないませんから、普通なら」 確かにそうだ。 さっきから通路らしきところを歩いてはいるが。 ……何なのだろう。 この酷く現実離れした建物は。 複雑に入り組んだ通路。目を凝らすと、至る所に何のだか知れないマークがちらつく。盾をモチーフにした紋様に、《WSMT》と印されていた。気がつかなかったが、スキンヘッドや他の奴らの全員がそのマークを身に付けている。 これじゃまるで、軍隊か何かだ。 「戦争でも始めるつもりかよ……」 「その通りです」 「えっ?」 聞き間違いだろうか。 いやに引っかかったのでもう一度聴こうとしたが。それも叶わず、遠方より飛来した声に邪魔をされる。 「コルトさん!《適合者》が見つかったって本当ですか!?」 後方から、髪の長い白衣を着た女がスキンヘッドの……《コルト》とやらにデカい声で走りながら話しかけた。 「あぁ」 「へぇ~。この二人ですか……」 動物園にいる珍種の動物のように俺達を眺めてから、言った。 「まぁ、何はともあれこれで八人全員揃いましたね!!」 「そうだな……」 八人? 俺達以外にも誰かいるのか? それに《適合者》? 何のことだ……。 「ラシャ、現在他の適合者はどこにいる?」 「はい、他の六人はもうすでにメインデッキに集合済みです」 《ラシャ》と呼ばれた女は的確に必要な情報をコルトに報告する。
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