迷子のユニコーン

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「俺はもう帰る。ティナに会ったらなかなか帰れないからな」 「アルス……!!」 私は慌ててアルスに駆け寄った。 アルスは私の頬に触れ、唇を寄せる。 アルスの唇は私の唇を避け、優しく額に触れた。 「また遊びにくるな?」 アルスはバルコニーの手摺に手をかけ、下に飛び降りた。 私は手摺に駆け寄り、暗闇の中を駆けてゆくアルスを見送った。 「アルス……ありがとう……ごめんね……?」 私は止まらぬ涙を流しながら、徐々に小さくなってゆくアルスの飛行船を見送っていた。 .
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