遥か彼方のわすれもの

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……睨んでる? 黙ってずっと私を見つめたままだ。 「……お前、どっかで会った事ないか?」 「え?いえ、無いと思いますけど……」 「だよな……。まぁいい。 で、どうする?ゲストルームはあるから暫くここにいても俺は構わない」 「え?」 「早く決めろ!ウジウジされんのは嫌いだ!」 「や……その……ご迷惑じゃ……?」 「家主の俺がいいと言っているんだ、迷惑なら追い出している」 「そりゃ……雨風凌げる場所があると有難いですが……」 「じゃあ決まりだな。出掛けるぞ」 「……いってらっしゃい」 「お前も行くんだ。必要な物もあるだろう」 そして私はパーカーにハーパン、生乾きの髪のまま草薙さんに引っ張られ駐車場に降り車に乗った。 「あの……どちらへ……?」 「買い物だ」
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