プロローグ

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退院後、両親の葬式が行われた。準備等は全て親戚の人達がやってくれたらしい。 だが、そんな事はどうでもよかった。 僕の心は哀しみを通り越し、氷河の如く凍り付いていた。 無表情で泣くこともなく、通夜を過ごした。何度か話し掛けられたが、反応すらしなかった。 ―――その夜、通夜も終わって、誰も居なくなり、静まり返った家の無機質な骨壷に入った両親の前に僕はいた。 ?「煉ちゃん。ここにいたの?」 不意に後ろから話し掛けられた。 そこには両親の親友で、近所に住んでいる神宮寺 麻菜穂(シングウジ マナホ)さんと彼女の娘(4人)がいた。
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