《シロ》

5/6
前へ
/92ページ
次へ
 基本的に人懐っこくて、何かに、誰かに構うのはいつもシロから。  興味をそそられると、ウズウズしてちょっかい出さずにいられない、ってタイプ。  故に知り合いも多く、また絡まれた側も「仕方ないな」とつい笑顔だ。  シロの人柄か、雰囲気か。  どちらにせよ、シロだから為せる業だと、卓は考えていた。 「あ、悠紀~!」  ぷらぷらと、シロと2人駅前を歩いていると、犬顔の女の子が近づいてきた。  …ゆき? 「あ、あーちゃんだ」  『あーちゃん』と親しげに彼女の名前を呼ぶシロを見て、シロの名前を思い出していた。  そう言えば、シロを『シロ』って呼ぶの、俺くらいじゃね?  なんてぼんやり考えていたら、 「たま?」 くい、と襟足を引っ張られる。 .
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1809人が本棚に入れています
本棚に追加