死神のお仕事(Ⅰ)

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「かよちゃん、かよちゃんてば!」 ドラ○もんをちょっと高くしたような声が何度も何度も“かよ”というどこか聞き慣れた名前を呼ぶ。 「うーん…」 「か”よ”ち”ゃ”ん”!!」 「うわっ!!」 こんなものすごいダミ声を、こんな耳元で叫ばれて、とび起きない人なんてこの世に存在しないと思う。 あたしはこの声の主の思惑通りにこの現実へ引き戻されたようだ。 「はやく起きて!!今日もたっぷり仕事があるんだから」 その声の主は声に似合わずとても可愛らしい姿をしていた。色はまっしろ、形は人魂(?)のようで、頬…と思われる部分はピンク色に染まり、まつげの長い可愛らしい大きな目と、可愛らしい小さな口がついている。 そして驚いたことに空中でふよふよ浮かんでいた。
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