死神のお仕事(Ⅰ)

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「な、な、な、なによあんた!?」 1テンポ遅れてあたしはこの状況に焦った。 どこの国に人語を話す人魂に起こされる人間がいる?そんなの空想や夢の中であるにしても現実にはありえない。でもこいつは夢の中のあたしを現実世界に引き戻した張本人なのだ。 「何って…。僕はかよちゃんのパートナーじゃないか」 「僕って!!あんたオスなの!?その顔で!?」 いや、そんなことに驚いている場合じゃない。 「かよはいつもずれてるよな」よくあいつに言われたっけ。 …あいつ?あいつって誰だっけ? …………。 ほらまた全然関係ない所へ思考が飛ぶ。それどころじゃない。そんなことより今はこの状況を把握しなければ。 「あのさ、パートナーって一体何のパートナーなの?」 「何ゆってるの。仕事のパートナーに決まってるじゃないの」 「仕事?あたしまだ学生で仕事なんて…」 「…もしかしてかよちゃん記憶喪失になっちゃったんじゃない?学生っていうのは生前の事でしょ?今は死神の仕事に就いてるじゃないか」
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