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死神のお仕事(Ⅲ)
キーンコーンカーンコーン。
どこの学校でも同じその馴染み深いメロディーは、あたしをとても懐かしくせつない思いにさせた。
白い校舎は、同じ場所で長い間ずっと学生達の成長を見守り、自分自身もずいぶん老け込んでしまっていた。
まるで、疲れを取り除き、そして労わるかのように、春の日差しはその老校舎を優しく包んでいる。
その日差しは、あたしにも、同じように優しい温もりを与えようとしてくれているのに、その温かみを感じることができないというのは何とも悲しい。
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