第1章

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あたしらの学校は文化祭がめっちゃ盛ん。 みんな楽しいこと大好きやねんなぁ… もちろん、うちもその1人。 「みんな~!台本完成したで~!」 「えっまじで?」 「早っ!やるなぁ上田! 「俺は完璧な男や」 「ゆうとけゆうとけ~」 「ほめたらすぐこれやもんな」 上田くんはクラスの人気者で、おもしろい。 顔はほめられへんけど、 ほんまにええ奴。 「でもばりすごいな!」 「いや~それほどでも」 「珍し!麻夏が人を褒めるなんて」 「人のこと言えるん?香奈?」 「言えるよー麻夏にありがとうとか言われたことないねんもん」 「えっ…ごめん…」 「いや本気でゆうたんちゃうで?」 「そうなんか、焦ったー」 でも、今のことばに一瞬ドキっとした。 あたしほんまにありがとうとか言わへん?? 言ってるつもりやねんけど。 ううん 今思うと、全然言ったことないかも。 思ってること素直に話せてへんかもしれん 「……夏?なぁ麻夏?麻夏ってば」
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