1991

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まだ少し肌寒い深夜3時過ぎ   『分娩室』と示された部屋の前では父親が落ち着かない様子でそわそわしていた   その脇では二人の息子が椅子に体を預けて眠っている       「ォギャ…オギャー…オギャー!オギャー!!」   部屋の中から元気な産声が響いてきた     「やったー!生まれた!!おい、起きろ!!お前たち、お兄ちゃんだぞ!」     父親は興奮を露わ(アラワ)に寝ていた息子たちを叩き起こす   息子たちは当然の事ながら目を擦り眠そうな表情だ       分娩室の中から看護婦が出てきた   「どうぞ。中に入って下さい」   看護婦は嬉しそうに一同に声をかける       部屋の中では疲れきり、だけどホッと一息ついた安堵の表情の母親がいた   「パパ、拓ちゃん、直ちゃん」   母親が笑いかける   「「ママー!!」」   二人の子供たちが母親の元に駆け寄ると母親は優しく手を振った   「ママ、だいじょーぶ?」   「大丈夫だよ、拓ちゃん」   「ママ、あかちゃんわー?」   拓也に次いで直也が聞く   「赤ちゃんは看護婦さんが…ホラ!」   母親が指差す方から看護婦が赤ん坊を抱いてやってきた     「「おさるさんみたい!!」」   赤ん坊を前に声を揃えてはしゃぐ二人   そんな子供たちを見て夫婦は笑った   
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