1994

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この世に生を受け猿と言われた赤ん坊は美香子(ミカコ)と名付けられ元気に育っていた     「たくちゃーん!まってーー!」   美香子は二人の兄と家の庭で追いかけっこして遊んでいる   「美香子、おっそ~い」   拓ちゃんはトコトコと付いて来る美香子を指差して笑った     「おい、拓!!美香子が転んだら大変だろ!!急がせること言うな!!」   直ちゃんは拓ちゃんを怒鳴ると美香子に駆け寄り手を取った   「美香子、危ないから走っちゃダメ」   「やだ!!みかこ、はしるのー!!」   「転んだら痛いんだよ?美香子、痛いの好き?」   「いたいの…きらい」   美香子は俯きながら言う   「じゃあ追いかけっこは終わりだよ。分かった?」   「うん!!わかったぁ!」     二人のやりとりを見ていた拓ちゃんは機嫌が良くない   「ふん、なんだよ!そうやって二人で仲良く遊んでろよ!!」       この時、美香子3才   そして二人の兄は5つ離れて8才であった      
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