1996

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美香子は幼稚園の年長さんになっていた   「美香ちゃん、お母さんがお迎えに来たわよー」   美香子は教室で絵を書いて遊んでいた   「ママー!!」   母親を見るやいなや美香子は遊びを止め、母親に抱きつく   「美香ちゃん、お片付けして帰ろうか」   「うん!!」         帰り道、美香子は母親といろんな話をした   美香子はいつも元気で明るい子   美香子が大きな声で笑う度に周りにいた者もつられて笑い、幸せな気分になった   だからこの日も美香子は笑っていた   何の汚れのない澄んだ笑顔     「ねぇ、美香ちゃん」   母親は隣で手をつなぎ歩く美香子に問いかけるように話した   「明日は何の日か覚えてる?」   「覚えてるー!!真美おばちゃんが遊びに来る日!!」   「正解!」   真美おばちゃんとは美香子の叔母である   明日は美香子の父親の仕事の都合で夫婦と兄たちは家を空けなくてはならない   だから近所に住む叔母が美香子の面倒を見に遊びに来るのであった      
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