第二章 老人

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老人は何も言わず、リュックから、握り飯を食していた。 老人の左肩が黒ずんでいる。 血だ。 家は、静かだ。 本当に、静かだった。 この世とは思えないほど、辺りは沈んでいた。 幾つもの顔は、家の天井全部にあった。 不思議なこの顔を老人は無言で見つめていた。
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