『主人公』

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その、オバタリアンに 生活の全ての主導権を奪われ 日々の生活に耐えている彼は 良家の嫁の旦那となり そして、婿に入って 生活の基盤だけは盤石であった。 家では、大きな身体を小さくして 肩身の狭い思いばかり 唯一、この場所 塾の準備室だけが 彼の居心地の良い居場所であった。 冬でも汗をかく彼の周りには 誰も近寄っては来ない きっと、汗という 強烈な刺激臭が 彼の周りに強力なバリアーを張っているのだろう 一人、隔離された場所 それでも… 彼には居心地が良かった 『あぁ~腹減った…』 彼の口癖を炸裂させ 机の引き出しから、菓子パンを取り出し 『ムシャムシャ』 と、パンを頬張る 『ングッングッングッ』 1リットルの牛乳を 音を立てながら飲み 今日も彼の周りから 他の講師達が慌ただしく離れていき 誰もいなくなったのを確認して 『ブッ』 大きなガス爆発 最低な男である… 『ムシャムシャ ンギュンギュ』 牛乳を片手に 二つ目のパンを流し込んでしまい 『さてと…』
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