83人が本棚に入れています
本棚に追加
その、オバタリアンに
生活の全ての主導権を奪われ
日々の生活に耐えている彼は
良家の嫁の旦那となり
そして、婿に入って
生活の基盤だけは盤石であった。
家では、大きな身体を小さくして
肩身の狭い思いばかり
唯一、この場所
塾の準備室だけが
彼の居心地の良い居場所であった。
冬でも汗をかく彼の周りには
誰も近寄っては来ない
きっと、汗という
強烈な刺激臭が
彼の周りに強力なバリアーを張っているのだろう
一人、隔離された場所
それでも…
彼には居心地が良かった
『あぁ~腹減った…』
彼の口癖を炸裂させ
机の引き出しから、菓子パンを取り出し
『ムシャムシャ』
と、パンを頬張る
『ングッングッングッ』
1リットルの牛乳を
音を立てながら飲み
今日も彼の周りから
他の講師達が慌ただしく離れていき
誰もいなくなったのを確認して
『ブッ』
大きなガス爆発
最低な男である…
『ムシャムシャ
ンギュンギュ』
牛乳を片手に
二つ目のパンを流し込んでしまい
『さてと…』
最初のコメントを投稿しよう!