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思い腰を上げて
ノッシノッシと次の授業に向かった。
『バタン』
『起立、礼、着席』
『えぇ~
授業を始めます』
彼の受け持つのは数学
高校生が対象である。
『私、こいつ嫌い』
『なんで?』
『だってキモイ』
生徒からは、そんな囁きが聴こえてくる。
『なんで?
こんなに寒いのに
汗をかいてるんだよ
チョーキモイよね』
時は12月
正しい意見である。
スーツの上着を脱ぎ
半袖のワイシャツで
『フガフガ』
と、ネクタイを緩め
『クスクス…
フガフガだって
メッチャキモイよね
ネクタイが食い込んで
苦しいんだよ』
いつものように
裕二は左手でハンカチを握りしめ
時折、汗を拭いながら
『じゃあ
この問題を解いてみて』
と、椅子に腰掛ける。
スーツのズボンの裾が
異様に持ち上がる。
『だから…
豚野郎
脚を見せんなって
キモイだろう』
長時間、立っているのが辛いから
時折、裕二は座る
そして立ち上がり
しばらくしてから座る。
その度に
裕二のズボンの裾から
豚足が顔を出す。
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