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激しく愛されて幾度となく頂り詰めた後で
私は耕平に歌をねだった
耕平は穏やかに微笑んで私を抱き上げ寝室へと運び
ベッドに優しく横たえる
「寒くない…?」
そう言いながら私に毛布をかけて
自分も隣に潜り込んだ
「あったかい…」
腕枕で抱き締める彼の厚い胸に寄り添って
私は呟いた
「…俺も…」
微笑みながら額にキスを落とし
耕平は静かに歌い出す…
大好きな甘く優しい歌声…
あの日この歌声を聴いていなければ
私は耕平を愛する事はなかったのだろうか
そう考えて私はそれが無意味な事に気付く
この声は耕平の一部でそれが無い事は有り得ない
この甘い声を持つ耕平を好きになったわけじゃない…
耕平の声だから…
だから私はこの声が好きなんだ…
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