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「げにまっこと、たまげたぜよ。進んだ国もあるんじゃのう。わしもまだまだ、視野が狭いのう」
何に関心しているんだかよく分からない。から、黙っておいた。
それに、「坂本」さんの話す言葉は、なまりがひどくって、東京育ちのあたしにはわけが分からない。
まるで外国語みたいだ。
英語なんかより、ずっとずっと、外国語みたいだ。
そうこうしているうちに山道を抜け、民家が立ち並ぶ集落に出た。
全部、木造家屋。
相変わらず街灯もない。
けど、多少の人通りはある。
ちょんまげをして、着物を着た人。
誰もが時代劇に出てくるようなちょうちんをぶら下げている。
いったい、ここはどこ?
時代村?
「坂本」さんは、一軒の家の前に止まると、バサッと元気よくのれんをくぐる。
玄関先には、「寺田屋」の文字が光る。
家じゃなくて、旅館だろう。
「お龍~!! 今帰ったぜよ!!」
「龍馬!!」
中から目鼻立ちのすっきりとした女の人が飛び出してきた。
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