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それに彼とはフられてしまっていたこそすれ、
良き親友でありたい。
ならば彼もついでに守ってやれるような
強い女になるべきだと彼女は思った。
「96…っ!
97…っ!
98…っ!
99…っ!
100っ!!」
100回目のサンドバックへの蹴りはキレが増していた。
砂が入った重いサンドバックは豪快に後ろへと吹っ飛んだ。
今日も難なくトレーニングのメニューをこなした彼女の表情は爽やかだった。
着ている服は勿論、
ブーツの中は汗でぐっしょりと蒸れている。
一度脱ごうかと思ったが、
彼女は既に気に入ったようでもう少し履いておくことにした。
「さぁーて、
牛乳、
牛乳…
ってあれ…ない。
お母さん、牛乳無いよー?」
「丸々一本あんたが飲んだからでしょーが。
それと、
ブーツで家の中歩くのやめなさい。
どこで買ったのよそれ」
そういえばそうだったと千枝は思い出した。
仕方なく手前にあった麦茶を取り出して、
コップ3杯ほど飲んだ。
「ぷはーっ!
一汗書いた後の牛乳…
じゃない、
麦茶はうまい!」
勿論、
飲んだ後のコップは水で洗うのを欠かさない。
これも彼女なりの気遣いなのだ。
「おーい、
肉?
肉ー、
どこ行ったー?」
「ワンっ!」
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