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「ヤクザって…それは本当なのか爺ちゃんっ!?そんな話、母さんは一言も口にした事ないよ!?」
「それはそうだ…華澄さんはヤクザが嫌いだったからの」
だったら…。
「ヤクザが嫌いなら、なんで僕を作ったのさ…」
「ああ…『ヤクザのアイツは嫌いだけど、男としてのアイツは大好きだ』とか…」
「だから、エッチして子供をこさえたって?」
無茶苦茶だ…。
だが、そういう事を平然とやってのけるのが華澄という女性である事を、瞬は十六年の付き合いで知っていた。
自身の出生の秘密と、母親の無茶苦茶さに大変なショックを受けている瞬に、宗太郎は声をかける。
「ところで…華澄さんはどこに居る?」
「?…ああ、母さんなら…今頃…」
あの時の事を思い出し、瞬は疲れ切った顔をする。
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