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瞬が外に出ると、一台の車が家の前で止まった。
「?」
見覚えの無い車であった。
それは、燃える様な赤色をしたシルビアS15で、かなりの改造を施しているのが、そういう事に疎い瞬でもわかった。
そして、車から出て来た運転手に、瞬は見覚えがあった。
背丈は160cmで、少し痩せ型。だが、出る所は出て、引っ込む所は引っ込んでいる。
顔も整っており、美女と言って差し支えないだろう。
だが、彼女の特徴は、何と言っても髪の毛であろう。
黒くて、艶のある、サラサラのロングヘアーである。
見慣れた瞬をして、ドキッとさせる魅力を放っていた。
そう、神代 美音その人である。
「え?美音ネエって車持って…いや、それより…あれ?」
色々と突っ込む事があり過ぎて、瞬は混乱する。
そして、ある事に気付く。
「…そういえば、美音ネエ…来るの早くない?」
瞬が電話から外に出る迄、時間にして約三分。そして、美音の住むマンションから瞬の家迄が、距離にして約四キロある。
物理法則に従うなら、この距離をこの時間で辿り着くのは不可能に近い。
もっとも、時速140キロ以上で飛ばせば話は別だが…。
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